ブログ

フリーランスエンジニアが押さえるべき売上管理と入金確認のルール

フリーランスエンジニアの売上管理が大事な理由

フリーランスエンジニアの報酬は、業務委託契約にもとづいて月末締め・翌月払いなどで銀行口座に振り込まれるのが一般的です。現金が手元に入るわけではないので「通帳を見ればわかるでしょ」と思いがちですが、複数のクライアントから異なるタイミングで入金があると、どの案件の報酬がいつ入ったのか、だんだん把握しづらくなります。

たとえば、3社と契約していて支払いサイトが15日・25日・月末とバラバラだったり、源泉徴収される案件とされない案件が混在していたりすると、通帳の数字だけでは「今月の売上はいくらだったのか」が見えなくなります。請求額と入金額がズレている状態は、確定申告で数字が合わなくなる原因になりますし、税務調査でもチェックされるポイントです。

請求書の発行はマネーフォワードで一元化する

売上管理で一番大事なのは、請求書の発行と売上の計上を同じ場所でやることです。ExcelやGoogleスプレッドシートで請求書を作って、別途会計ソフトに売上を手入力する、というやり方だと転記ミスが起きます。

おすすめはマネーフォワード クラウド請求書で請求書を発行し、マネーフォワード クラウド確定申告と連携する方法です。連携はボタンひとつで終わるので、請求書を作った時点で売上の仕訳が自動的に作成されます。入金予定日も請求書に書けるので、わざわざカレンダーやスプレッドシートで管理する必要はありません。

この流れをまとめると、次のようになります。

  1. マネーフォワード クラウド請求書で請求書を発行する — 入金予定日も記入しておく
  2. 会計ソフトに自動で仕訳が作成される — 売上の計上漏れが起きない
  3. 入金があれば会計ソフト側で自動的にマッチングされる — 請求額と入金額の突き合わせもほぼ自動
  4. 入金予定日を過ぎても入金がなければ確認する — 未入金の請求書は一覧で見えるので、すぐに気づける

スプレッドシートで管理表を作るくらいなら、マネーフォワードに寄せてしまった方がずっと楽です。

入金確認と売掛金の消し込み

請求書を発行してから入金されるまでには、1〜2カ月のタイムラグがあります。この「請求済み・未入金」の状態が売掛金です。

マネーフォワードの請求書機能を使っていれば、請求書を発行した時点で売掛金が自動計上されます。銀行口座の入金データを取り込むと、請求書との突き合わせもほぼ自動でやってくれるので、差額が出ればすぐにわかります。手作業で1件ずつ照合する必要はありません。

売掛金の管理で気をつけるポイントは3つです。

  • 入金予定日を過ぎたら早めに確認する — 2カ月以上放置すると、先方の経理処理のタイミングによっては回収が面倒になる
  • 年末をまたぐ売掛金は必ず計上する — 12月に作業して1月に入金される報酬は、12月の売上として計上する。これを忘れると、売上の計上漏れになる
  • 入金額が請求額と違ったら原因を調べる — 振込手数料の差し引きや源泉徴収のズレが多い。会計ソフトの画面で差額が表示されるので、原因を確認して処理する

源泉徴収がある案件の管理

フリーランスエンジニアの報酬で厄介なのが源泉徴収です。案件によって「源泉徴収あり」と「源泉徴収なし」が混在するため、入金額だけ見ていると帳簿が合わなくなります。

源泉徴収される場合、クライアントは報酬から所得税(10.21%)を差し引いて振り込みます。たとえば月額報酬が80万円(税抜)の場合、こうなります。

項目金額
報酬(税抜)800,000円
消費税(10%)80,000円
源泉所得税(10.21%)△81,680円
振込額798,320円

帳簿には売上として80万円(税抜)を計上し、源泉徴収された81,680円は「事業主貸」や「仮払税金」として記録します。入金額の798,320円だけを売上として計上してしまうと、売上が過少になってしまいます。

源泉徴収のありなしをクライアントごとに細かく管理するには、マネーフォワードの会計画面だけだとちょっと手間がかかります。案件数が多い場合は、スプレッドシートで「クライアント名・請求額・源泉徴収額・振込額」を一覧にしておくと確認しやすいです。

確定申告では、源泉徴収された税額を所得税から差し引く(還付を受ける)ことができます。クライアントから届く支払調書で年間の源泉徴収額を確認しましょう。ただし、支払調書の送付は義務ではないため届かないこともあります。自分の帳簿やスプレッドシートで源泉徴収額を集計しておくことが大事です。

帳簿と証票の保存期間

請求書の控え、入金記録、経費の領収書、通帳などは、青色申告の場合7年間の保存が義務付けられています(前々年の所得が300万円以下の場合、一部書類は5年間)。月ごとにフォルダに分けて整理しておくと、後から探す手間が省けます。

クラウドサービスの利用明細やクレジットカードの明細も、経費として計上したものは保管しておきましょう。PDFでダウンロードできるものはダウンロードして、年・月ごとにフォルダで管理するのが手軽です。

当事務所のサポート

「請求書の管理が追いつかない」「源泉徴収の処理がよくわからない」「確定申告で売上の数字が合わなくて困った」——そんなお悩みがあれば、ぜひ一度ご相談ください。

当事務所では、フリーランスエンジニアの売上管理の仕組みづくりから、マネーフォワードの導入支援、日々の記帳サポートまで対応しています。請求書の発行フローや口座の使い分けなど、案件数や契約形態に合わせたアドバイスをお伝えします。初回のご相談は30分5,000円〜です。

税務の不安、手放しませんか?

この記事を書いた人

小松 啓

小松 啓

公認会計士・税理士

大分県出身。監査法人・コンサルティング会社を経て独立。自分でもコードを書いてWebサービスを開発しており、このサイトもNuxt + Cloudflare Pagesで自作しました。エンジニアの「技術で解決したい」という感覚がわかるからこそ、税務はプロに任せたほうが合理的だと自信を持ってお伝えできます。

東京・浅草橋初回相談 30分5,000円〜クラウド会計対応

小松 啓 公認会計士・税理士事務所

〒111-0053 東京都台東区浅草橋5丁目4-5 506号

営業時間: 平日 9:00〜18:00

© 2026 小松 啓 公認会計士・税理士事務所